建設業許可と建設業法⑪ 建設業許可申請に出てくる令3条使用人とは?

 こんにちは、お盆休みも終わって日常の生活に戻った方も多いのではないでしょうか?
長い休みの後の日常というのはちょっと辛いですかね、慣れるのに時間がかかったりして…、サラリーマン時代を思いかえすとそんな気もします。

本日は、建設業許可を取るのに「建設業許可申請手引き」等を読んでいると出てくる『令3条の使用人』についてお話をしていきます。
『令3条の使用人』とはどんな人なのでしょうか? 何者なのでしょうか?
本日のお話を読んでいただきイメージだけでも掴んでいただけたら幸いです!

1.「令3条の使用人」とは?
許可手引き等には「令3条の使用人」と書かれていますが、正式には「建設業法施行令第3条に規定する使用人」のことを言います。

【建設業法施行令 第3条】
 法第六条第一項第四号(法第十七条において準用する場合を含む。)、法第七条第三号、法第八条第四号、第十二号及び第十三号(これらの規定を法第十七条において準用する場合を含む。)、法第二十八条第一項第三号並びに法第二十九条の四の政令で定める使用人は、支配人及び支店又は第一条に規定する営業所の代表者(支配人である者を除く。)であるものとする。

施行令では、いわゆる支店長や営業所長が該当すると言っていますが、役職名で決まるわけではありません。支店など建設業を営む営業所の代表者がこの「令3条の使用人」に当たるのです。
しかし単に営業所の代表ではだめです。営業所において建設工事の見積、入札、請負契約を締結する権限を与えられている人だけが「令3条の使用人」になることが出来るのです、その様な権限が与えられているのであれば、役職名が「副支店長」であってもその人は「令3条の使用人」に該当します。

つまり、本店の代表者が経営業務の管理責任者で、支店・営業所の代表が「令3条の使用人」って感じですかね!
※「令3条の使用人」は、役員であることが求められていません、従って役員でなくても大丈夫です。

(1)令3条の使用人は常勤でなくてはならない?
建設業法の中では「令3条の使用人」について常勤でなけらばならないとは定められていません、じゃ~非常勤でもいいのかというと建設業許可事務ガイドラインの第5条及び第6条関係」で次のように記載されています。

【建設業許可事務ガイドライン 第5条及び第6条関係の2の(10)】
(10)建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(様式第11号)について
「建設業法施行令第3条に規定する使用人」とは、建設工事の請負契約の締結及びその履行に当たって、一定の権限を有すると判断される者すなわち支配人及び支店又は営業所(主たる営業所を除く)の代表者である者が該当する。これらの者は、当該営業所において締結される請負契約について総合的に管理することが求められ、原則として、当該営業所において休日その他勤務を要しない日を除き一定の計画のもとに毎日所定の時間中、その職務に従事している者がこれに該当する。
なお、この表は、これらの者のうち役員を兼ねている者について記載させるものとする。

原則とあります、常勤の方を着任させるのが妥当でしょう!

しかし、令和2年4月から建設業許可申請の確認書類が簡素化されました、その中に「令3条の使用人」関連のものがあります。
※令3条の使用人の確認資料で提出が不要となったもの
現住所確認のための住民票等、健康保険証の写し、権限確認のための事例もしくは委任状です。
このようなものの提出が不要ということは、非常勤でもいいの?って思ってしまいます、どうしても「令3条の使用人」に非常勤の者をしたいのであれば一度管轄の行政庁に相談してみる価値はありそうです。

本日は「令3条の使用人」についてのお話でした、少しはイメージ掴んでいただけたでしょうか?
次回は、建設業者さんに必要な建設業許可以外の許認可について、法律との関係等お話していきたいと思います、よろしくお願いします。